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自販機:飲料販売3分の2に コンビニ台頭で生き残り模索 – 毎日新聞

大阪市内に設置されている貸し傘付き自動販売機。無料で借りられ、元の自販機に戻せばよい=2017年5月10日撮影、ダイドードリンコ提供



 自動販売機の飲み物が売れなくなっている。販売額は2000年代に入って減少傾向が続き、昨年はピークの3分の2に。平成に入ってから最低となった。背景には、品ぞろえが豊富で本格的なコーヒー販売も始めたコンビニエンスストアの台頭がある。自販機が「便利さの象徴」だった時代は終わり、メーカーは社会貢献も意識しながら生き残る道を模索している。

 5月上旬、東京・新橋のオフィス街。コンビニを出るビジネスマンに、自販機で飲み物を買わなくなった理由を聞いた。「コンビニの商品はバラエティーが豊富で、自販機より安いものも多い」「以前は缶コーヒー派だったが、その場で豆をひくコンビニコーヒーのほうがおいしい」といった声が聞かれた。

貸し傘付き自販機から傘を取り出す。通勤などで毎日同じ場所を利用者が通ると傘が返却されやすいと分かってきた。大阪、京都、奈良、和歌山各府県のオフィスや鉄道駅に設置されているという=大阪市内で2016年6月、ダイドードリンコ提供

 日本自動販売機工業会(東京都)によると、日本の飲料自販機は1960年前後から普及が進んだ。担当者は「欧米では缶コーヒーを飲む習慣がなく、『温かい』と『冷たい』を1台で販売する自販機は日本以外にほとんどない。治安が良いため、屋外の自販機が多いのも特徴」と話す。

 飲料総研(東京都)の宮下和浩取締役は「定価で販売できるので利益率が高く、人手もいらない自販機を重視するメーカーは多い」と話す。

飲料自販機の販売額と設置台数

 だが、右肩上がりだった年間の販売額は99年の約3.1兆円をピークに、昨年は約2兆円まで減少した。飲料総研によると、清涼飲料の出荷量は95年には自販機が約48%を占めたが、昨年は約29%に。大量に仕入れて格安で売るスーパー(約38%)に抜かれ、コンビニ(約22%)にも迫られている。

 自販機の設置台数は30年近くほぼ横ばいだが、昨年は約247万台と平成に入って最も少なかった。

 こうした中、社会貢献の機能を持つ自販機が近年目立っている。災害時に商品を無償提供できる仕組みは各社がすでに導入し、東日本大震災でも活用された。飲料大手のダイドードリンコ(大阪市)は15年から、関西の一部の自販機に無料で貸し出す傘を備え付けている。好評で、東京での設置も検討しているという。担当者は「全国各地にある自販機の利点を生かした地域貢献を、今後も考えたい」と話す。

 消費者行動に詳しい関西学院大の山本昭二教授は「災害対応型やAED(自動体外式除細動器)などを付設した自販機なら、公共施設からの需要もあるかもしれない」と話し、自販機の将来を「マンションにあるような宅配ボックスの併設など、飲み物の提供にとどまらない付加価値をいかにつけられるかが鍵」と分析している。【安高晋】





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