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社長COOに鈴木善久氏 岡藤正氏は会長CEO – 毎日新聞

記者会見で握手を交わす伊藤忠商事の鈴木善久新社長(左)と岡藤正広社長=東京都港区で2018年1月18日午後3時43分、長谷川直亮撮影



 伊藤忠商事は18日、鈴木善久専務執行役員(62)が4月1日付で社長COO(最高執行責任者)に昇格する人事を発表した。岡藤正広社長(68)は代表権のある会長CEO(最高経営責任者)に就き、引き続きグループ全体の経営戦略を担う。現在は情報・金融事業を率いる鈴木氏はCOOとして、収益事業の拡大などに取り組む。小林栄三会長は特別理事に退く。【今村茜】

 「従来のビジネスモデルでは、商社(の経営)は3~5年したら行き詰まる」。岡藤社長は18日の社長交代発表の記者会見で危機感を示した。人工知能(AI)やIoT(モノのインターネット)などの技術革新がメーカーだけでなく、商社のビジネス環境も激変させると見るためだ。

 危機感は新社長に就く鈴木氏も共有する。会見で「総合商社は変化の時代だ。(金融と情報技術を融合した)フィンテックなどで新しいビジネスモデルをつくり、稼ぐ力を磨く」と語った。さらに、「(傘下に大手コンビニの)ファミリーマートを持っているのは強みだ」と述べ、消費者向け事業強化にも意欲を見せた。

 岡藤氏は2010年4月の社長就任以来、非資源事業を推進。中国の大手複合企業「中国中信集団(CITIC)」との提携や、ファミリーマートと、コンビニのサークルKサンクスを展開するユニーグループ・ホールディングスとの経営統合を実現した。16年3月期には、旧財閥系各社を抑えて、連結最終(当期)利益で初めて総合商社トップに立った。岡藤氏は社長として在任期間を「社員もよく頑張ってくれた。上出来や」と振り返った。

 伊藤忠は今回、CEOとCOOの肩書を新設。岡藤氏はグループ最高権力者のCEOにとどまる理由について、CITICとの提携を発展させる必要性などをあげたが、今後は鈴木氏との役割分担も課題となりそうだ。

総合商社

 「ラーメンから航空機まで」と呼ばれるほど多種多様な商品・サービスを取り扱い、売り手と買い手の企業を結びつける役割を担ってきた。日本独特のビジネスモデルとされ、三菱商事▽伊藤忠商事▽三井物産▽住友商事▽丸紅▽豊田通商▽双日--が大手7社。

 総合商社はもともと、輸出と輸入を取り持つ貿易の仲介業が主力。日本の高度成長期には、海外の原材料や天然資源調達などで活躍、企業活動を支えた。

 しかし、1980年代以降、取引先企業が自ら海外拠点を設けて輸出入などを手掛ける動きが広がり、「商社の冬の時代」と呼ばれた。このため、総合商社は国内外の企業や事業に出資して収益をあげる投資会社に近い業態に変わってきた。

次期社長・鈴木善久氏「何ができるか考えたい」

 岡藤正広社長から次期社長就任を打診されたのは、先週末の12日。18日の記者会見では「私自身は岡藤社長の続投が一番いいと思っていた。正直驚いた」と、落ち着いた口調で謙虚に語った。一方で「(担当する)情報・金融部門だけでは、大きな仕組みは作りにくい。これを伊藤忠全体が持っている資産と組み合わせて、何ができるか考えたい」と、企業の成長への熱い思いをのぞかせた。

 大学時代は航空工学を専攻し、入社後も航空部門を主に歩み、民間航空会社や官公庁向けの航空機の機体の販売などを手掛けた。米国勤務時代の2008年にはリーマン・ショックも経験。帰国後の11年にはグループ会社で航空機の内装品を製造するジャムコに転籍し、副社長や社長を歴任。15年3月に東証1部上場させ、16年3月期には過去最高益を更新する手腕を見せた。

 そんな活躍が岡藤社長に見込まれ、伊藤忠商事に引き戻され、IT(情報技術)と金融が融合したフィンテックなど最先端分野を統括する情報・金融部門トップを任された。岡藤社長は「権力欲の野心は良くないが、彼にはそれがない。新しい頭で新しいビジネスモデルを考えてもらいたい」と、鈴木氏にこれまでと同様に自然体で仕事をすることを期待する。

 趣味は日曜大工。棚などの家具を自作する。【小川祐希】





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