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コンビニワイン買いの9本 レベルに驚嘆、価格に感嘆 – 日本経済新聞

PIXTA

 「コンビニワインのレベルが高い」と評判だ。最近ではプライベートブランド(PB)ワインや小容量サイズ、専売商品など各社ワインに力を入れており、以前と比べると品ぞろえも豊富になっている。それでは各社どのような違いがあるのだろう。今回は、大手コンビニ3社のセブンイレブン、ファミリーマート、ローソンに取材を行い、計18種類の試飲をしたうえで、おすすめのコンビニワインを紹介する。

■セブンイレブン:小容量のPBワインが魅力!

 PBワインと250~300mlの小容量サイズが充実しているのがセブンイレブン。飲みきりサイズなので、仕事帰りや深夜にちょこっと晩酌したいとき、ひとりでも気軽に開けられるのが小容量ワインの魅力だ。「オリジナルを強化する方向で、約70種類のうち2割はPBブランド」(セブンイレブン広報)

 まず、セブンイレブンの看板商品といえば、PBの「ヨセミテ・ロード」。メルシャンとの共同開発商品で、2016年には人気テレビ番組で取り上げられて話題になった。スパークリング・白・赤の3種類展開で、いずれもカリフォルニア産のぶどうを使用している。シャルドネ種主体の白ワインは、ドライマンゴーやレーズンのような凝縮した味わい。赤はカベルネ・ソーヴィニヨン種が主体で、イチゴジャムやバニラの甘い香り。やや甘みの残る味わいで、酸味や渋味が突出していないので、赤ワインが苦手な人でも飲みやすい。

 また、これからの季節におすすめなのが、スパークリングワイン。トロピカルフルーツのアロマにあふれる辛口スパークリングは、太陽のもと複数人で乾杯するシーンに似合う。コンビニにある辛口スパークリングはたいていフルボトルで1000円以上はするものだが、こちらは税込み797円と、価格も飛び抜けてリーズナブル。PBの強みを生かしたお買い得商品だ。

ヨセミテ・ロード スパークリング(左)、赤250ml(中)、白250ml(右)

▼ヨセミテ・ロード 白・赤 250ml/750ml 
希望小売価格:税込み278円/税込み615円 
▼ヨセミテ・ロード スパークリング 720ml 税込み797円

カープーカーソーヴィニヨン ブラン 250ml

 ひときわさわやかな魅力を放っていたのが、PBの「カープーカーソーヴィニヨン ブラン」。ニュージーランドの銘醸地マールボロ地区のソーヴィニヨンブラン種を使用した白ワインだ。ニュージーランドのソーヴィニヨンブランの特徴であるかんきつやパッションフルーツ、そして鮮烈なハーブや草の香りに、「税込み386円でニュージーランドの風を感じられるとは」と正直驚いた。格段にリーズナブルなのは、国内で瓶詰めを行っているためだ。温かくなる春先から夏にかけて出番の多そうな爽快な白ワインだ。

▼カープーカーソーヴィニヨン ブラン 250ml/750ml 
希望小売価格:税込み386円/税込み980円

メゾン・デュアール  250ml

 太陽をさんさんと浴びたカリフォルニアもニュージーランドのワインもいいが、クラシックなフランスワインが飲みたい……そんなときに助かるのがPBの「ボルドーメゾン・デュアール」。フランスの代表的な産地であるボルドー地方で造られた赤ワインだ。上ふたつのワインと比べると香りは控えめだが、それがクラシックスタイルの証し。ボルドーらしい、骨格のしっかりとした大人の味わいだ。杉の木の香りやほのかにスパイスの余韻があり、黒こしょう味のスパイシーチキンなど、お肉のつまみにもよく合う。

▼ボルドー メゾン・デュアール  250ml/750ml 
希望小売価格:税込み375円/税込み950円

■ファミリーマート:価格帯で選ぶ専売商品、ワンコインワインがすごい!

 一方、メーカーブランドで専用に商品を造ってもらう専売商品が多いのがファミリーマートだ。フルボトルのほか、280mlの缶ワインや、ハーフボトル、500mlのボトルと、さまざまな大きさのサイズもそろえている。また、価格帯を低価格・中価格・高価格帯と3階層に分けて展開しており、低価格帯のワインの品ぞろえも拡充している。「ワインは伸び傾向にあり、売り上げの7割は赤で、 売れ筋は600円前後・750mlのワインが中心だが、280~300mlの冷蔵で販売している小容量ワインも伸長」(ファミリーマート広報)。今回はそれぞれの価格帯からおすすめのワインを選出した。

・500円未満

 今回3社18種飲み比べたなかで、コストパフォーマンスが一番よかったのが、ファミリーマートの「ヘイウッド」だった。なんとフルボトルで税込み498円と、ワンコインでお釣りがくる。飲む前はあまりに安すぎると不信感を抱いてしまったほどだ。白も赤もフレッシュ&フルーティー、やや甘みがありすいすい飲めるタイプだが、特徴もしっかりある。白ワインはフルーティーさのなかに桃やマスカットのような華やかなアロマがあり、ほどよいボディーもある。赤ワインには、オーストラリアらしいユーカリやミントなどハーブの香りに、鉛筆の芯、ヨードといった複雑な香りすら感じられる。

ヘイウッド

▼ヘイウッド オーストラリアン・ホワイト 750ml 
▼ヘイウッド オーストラリアン・レッド 750ml 
税込み498円

・500~999円

 手に入りやすいのが定番商品「カフェ・デュ・ミディ」。フランスワインで白はシャルドネ種、赤はカベルネ・ソーヴィニヨン種とコンビニワインの定番。白ワインは熟したマンゴーやアプリコットなどたっぷりとした果実に、どことなく干し草のような香りも感じられ、太陽に恵まれた南フランスの情景が頭に浮かぶようだ。比較的ボリュームのあるタイプだが、酸味がしっかりあるのでバランスがとれ、フランス産ワインが好きな人におすすめの白ワインだ。赤ワインはベリーの豊かな風味のあとにスパイシーさが感じられるバランス系。やや甘みがあり、これがつくねや照り焼き、ハンバーグなど甘いソースのお肉と抜群に合うのだ。つまみを食べながらついついグラスに手が伸びてしまう、食事向きのワインだ。

カフェ・デュ・ミディ

▼カフェ・デュ・ミディ シャルドネ 白 750ml 
▼カフェ・デュ・ミディ カベルネ 赤 750ml 
税込み864円

・1000円~

 「ボルドー1級ラフィットの系譜」といううたい文句がひときわワインコーナーで目立っていたのが「ロスヴァスコス」。1750年創業、1988年よりボルドー5大シャトーとして名高いラフィットの傘下に入ったチリのプレミアム・ワインだ。税込み980円と1000円以内だが、容量は500mlなので、750mlのフルボトルに換算して高価格帯に分類した。「ヘイウッド」や「カフェ・デュ・ミディ」と比べると、個性が際立つ味わいだ。白ワインは、ソーヴィニヨン・ブラン種特有のハーブの香り、トロピカルフルーツの華やかなアロマと高い酸味が爽やかだが、ボリューム豊かで飲みごたえがある。赤ワインは目隠しして飲んでもカベルネ・ソーヴィニヨン種とはっきりわかる、鉛筆の芯や青い香りとスパイシーさが鮮烈な印象。舌が真っ黒になりそうなほどのタンニンたっぷりで、フルボディーの赤ワインが好きな人にはこれがおすすめ。

ロス・ヴァスコス(500ml)

▼ロス・ヴァスコス ソーヴィニヨン・ブラン 
▼ロス・ヴァスコス カベルネ・ソーヴィニヨン 
税込み980円 
※500mlサイズはファミリーマートの専売商品

■高級路線のローソン、新発売の成城石井コラボ商品に注目!

 3社のうち高級路線をひた走るのがローソンだ。「価格帯は1000円以下と1500円以下が中心」(ローソン広報)と、3社のうち一番ワインの価格帯が高い。大注目は、グループの高級スーパー「成城石井」と共同開発し、17年3月29日に発売したボルドーワインの赤3種類。これは期待できる、とさっそく試飲した。

 第一の感想は、「黒船襲来!」。コンビニワインのレベルを超越し、2000円台のボルドーと比べても遜色ないレベルだ。

 まず、華やかな樽の香りが好きな人にすすめたいのが、成城石井で人気No.1ワインのシャトーのオーナーが監修した「バロン・ラ・ヴェリエール」だ。うっとりとする、バニラの甘い香り。ほどよい渋みはあるが、タンニンはなめらかで、凝縮した赤いプラムのような果実味と、チョコレートのフレーバーもある。試しにチョコと合わせてみたところ、どんぴしゃり。食事系だと、焼肉やすき焼きなど甘辛い味わいと相性が良く、これからの時期、バーベキューにも活躍しそう。

 使い勝手の良さなら、「シュヴァリエ・ド・ランシュ」だろう。メドック格付け5級シャトー「ランシュムーサ」を所有するボリーマヌー社が手がけたボルドーワインだ。香りは控えめだが、少し時間をおいて空気と触れさせると、新鮮なベリーの香りと杉やスモークのアロマが出てくる。酸味も強すぎずバランスのとれた味わいで、渋みも比較的穏やかだ。主張し過ぎない分、3本のうち食事に一番合わせやすいワインで、食事時に3本飲み比べたところ、一番減りの早かったワインだ。

 生粋のフランスワイン好きには、ワイン単体でも楽しめる「ラ・シャルトリューズ・ド・セナック」がおすすめだ。格付けシャトーのセカンドワインといわれても違和感のない高級感のあるラベルにもひかれる。タンニンは多いのにまろやかで、女性的でやわらかい。カシスやチェリーなど酸味のあるフルーツに、杉の木や黒こしょうが混じる複雑なアロマで、レベルの高さに感心した。聞くと格付け1級に相当する実力を持つ「スーパーセカンド」として人気の高い「シャトーパルメ」のオーナーが手掛けたワインというから納得だ。

 これが税込み1080円というから驚く。品質からすると信じられないほど手頃な価格で提供できるのは、原材料調達や商品開発において両社が連携を取った結果だ。今回の商品は定番化していく予定だというので、見かけたらぜひ試してほしい。

シュヴァリエ・ド・ランシュ(左)、バロン・ラ・ヴェリエール(中)、ラ・シャトリューズ・ド・セナック(右)

▼成城石井 シュヴァリエ・ド・ランシュ 2015 750ml 
▼成城石井 バロン・ラ・ヴェリエール 2015 750ml 
▼成城石井 ラ・シャトリューズ・ド・セナック 2015 750ml 
税込み1080円

 注意しておきたいのは店舗ごとの違いだ。3社とも「本部からの推奨商品はあるが、裁量は店舗ごと」と口を揃えており、筆者の近所のコンビニでも売場には面白いほどの違いが見られた。駅前の百貨店1階の路面店では、他では見なかった可愛いラベルのワインが豊富など、客層による品ぞろえの違いがある。次に、ワインはすべて常温保存の店舗もあれば、泡白のみならず赤まで冷蔵コーナーに置かれている店舗もあり、保管状態にも差が見られた。さらに、前年のボージョレ・ヌーボーをそのまま置いてある店もあれば、春夏向けなのかスパークリングや辛口白ワインを冷蔵コーナーに豊富にそろえている店舗もあり、売り場の季節感の違いも目についた。

(ライター 水上彩)

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