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「流れ星」とブランディング – Campaign Japan

「SHOOTING STAR Challenge」と銘打ったプロジェクトを進めているのは、2011年に設立された民間宇宙企業ALE。科学とエンターテインメントの両立を掲げ、夜空をキャンバスに見立てた「スカイ・キャンバス」事業の研究・開発に取り組んでいる。今回の計画では、人工衛星を宇宙空間に打ち上げて流れ星の粒を放出。それを大気圏に突入させることで、直径200キロの範囲の地上で流れ星が目視できる“天体ショー”を実演する。

地上の舞台となるのは広島の瀬戸内地域。同社の岡島礼奈代表取締役社長によれば、「この地域は日本で屈指の晴天率を誇っている」。2019年初夏の実施に先駆け、2018年末から2019年初春の間に豪州で人工衛星を打ち上げる。

先週、東京・恵比寿で行われた記者会見には、オフィシャルパートナーであるファミリーマートの澤田貴司代表取締役社長、日本航空の大川順子代表取締役専務執行役員も出席。プロジェクト参加の背景を語った。

ALEの目指すところはもちろん、単なる空前規模のエンターテインメントだけではない。「宇宙関連ビジネスを起業し、それを通じて基礎科学に貢献すること」(岡島氏)。では、パートナーとなる両社にとってはどのようなビジネス的メリットがあるのか。

まず登壇したファミリーマートの澤田氏は、「夢を持つことの素晴らしさ」を強調した。岡島氏とはこの2月に初めて出会ったばかりで、同氏の大志に即座に共鳴したという。「流れ星をご覧になる方への驚きと感動の提供、そして地域社会の活性化にも貢献する挑戦です」。同社は地域の消費者の生活に寄り添い、貢献する「ファミリー=家族」となることを目指す。広島県に展開する店舗は約300店舗。地域への密着化という目標に大いに合致するという。

そしてより具体的なプランは、新たな商品開発。「我々の取引先は皆、このプロジェクトに非常な興味を示してくれています。日航とのコラボレーションも含め、今後具体的な商品企画をいろいろ出していきたい」。

日航の大川氏は、同グループの「価値を引き上げていく」ことに言及。人工流れ星の観測によって高層大気の気温や密度、動きについての解明が可能となり、中・長期的な地球の気候・環境変動データや洞察が得られる。これらが航空機の効率的運行といった業務の改善に役立つ可能性があるという。

また同社は、社会貢献活動の一環として「空育®(そらいく)」と題する次世代育成プログラムを展開中。「飛行機を通じて『自分』の未来を考える」という主題に加え、「交流を通じて『日本・世界』の未来を考える」「環境・宇宙を通じて『地球』の未来を考える」という新たなテーマも昨年追加した。それらのコンテンツ拡充や、新たな教育の場の提供も検討していくという。またプロジェクトの実施時には、「流れ星遊覧チャーター」も行う予定。

両社とも、数字上の具体的なビジネス効果に関しては明示しなかった。「数字については現在シミュレーション中」(澤田氏)。何はともあれ、岡島氏の気宇壮大さ、そして純粋さにひと肌脱いだといったところか。高度に細分化し、数字の検証によるマーケティング手法が主流の今のご時世、「心意気」1つで大きく動くビジネスは、爽快ですらある。

(文:水野龍哉)




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